生きていく理由は問わない約束の少年少女が光る湘南

JKだった頃の記憶はとにかく眩しくて、

 

私は名城大学附属高校というところの出身で、制服がすごくかわいくて、毎日袖を通すのが楽しかった。

クラスは総合学科というところで、普通科じゃなかった。

クラスは36人くらいで男子が9人しかいなかった。

女子は全員かわいくて、私が一番太かった。一応全国平均より私は軽いはずなんだけど、クラスの平均からはかなり重かったと思う。

男子も、スポーツテストで全員金メダルみたいなのをもらってた。

クラスのリア充率は50%を超えていた。各部活の部長も集結していた。

 

楽しい高校生活だったけれど、怠くて、つまんなくて、愛想笑いな日もたくさんあった。

個人的にちょっと通わなくなった時もあったし、くらい影を落とすようなことがクラスでも起きたりしていた。

 

でも、そんな日も絶対に良い思い出だけになるだろうな、と在学しながらも思っていたし、その通りになった。

 

 

 

特に強く残ってるのは女子たちの強さで、

げらげらわらって、細くて長い足を通路に投げ出してじゃがりこを食べたり、お笑いのネタを暗記してきてバカみたいにやったりした。

 

でも、部活のことになると真剣勝負の目をしていた。

ダンス部の女の子たちの躍りをみると、涙が自然と流れた。ふとかたまって一緒に観ていたクラスの女子を見ると、やっぱり静かに泣いていた。そうだよね、通じるよね、泣いちゃうよね、と思ってさらに泣いた。

 

吹奏楽部の部長をやってる仲良しの子からの手紙に、

「私もぱい子(私のアダ名)も音楽やってるから、音楽やってる人として通じるところあるなって思ってる」

一回もそんなこと話したことなかったけど、私もそう思ってた。通じてたんだって、うれしくって胸がずっときゅんきゅんしていた。

 

 

本質なことは口にけして誰も出さなかった。また楽しい日々がつづくのだ。でも、一緒に泣いたことは、きっと心の片隅にいつもあった。

 

プリクラを学校帰りにとって、パッセ行って、wego行って、ディズニー夜行で行って、サイゼでぼーっとして、定期無くしてみんなで探して…

 

本当に典型的なJKだったけど、あの思い出がどんなに強いか、何度も救われたか、一言では言えない。

理不尽で辛いこと、惨めなことがあっても、同じように辛くても、暗い泥のなかで生きてる人に目をつけられても、なるべく元気にかわいく生きようとしてるあの友達たちが存在することに、何度も私も、と思わされた。

 

 

私が深刻に自分だけでは解決できないことに悩んでるとき、家に泊まりに来て、一緒にお風呂に入りながら相談して、自分の決意を言ったとき、

「そうだよ、うち、毎日ほんとに楽しいからいつ死んでも後悔ない」

と、友達から返ってきた時に、浴槽でばれないように背を向けてちょっと泣いた。

 

本質なことなんて今まで話したことなかったのに、やっぱり同じだったんだ。

一緒にいるときの空気、目線、笑い方、声色でどれくらい通じてるかなんてわかっちゃう。

わざわざ本質を話しましょう!なんてかまえても上っ面、金魚が口をパクパクして気が遠くなっていく。

彼女達との時間が私にとっての本当だった。

 

私は今月、高校の仲良しの4人と旅行にいく。それをほんとに指折り楽しみにしている。思い浮かべるだけで胸がきゅんとなって心から楽しみ。

こんなことを書いてるのを知られたら「ええ…」ってなるから絶対言わないけれど、ほんとに救いだったし、今も救い。良い友達は他にもいるけど、異質に彼女たちはギャル天使。

 

 

 

生きていく理由は問わない約束の少年少女が光る湘南

                    ー早坂類